【Sox規制適合舶用燃料油に対する動粘度の見える化】~環境保護実現のために~
神戸営業の藤原です。
既にご存知の方も多いかと思いますが、海の環境を保護するための海洋汚染防止条約(マルポール条約)の改正により2020年1月1日以降、一般海域においては硫黄分0.5%以下の燃料油を使用することが義務化されます。
弊社では「LSC重油」(Sox規制適合舶用燃料油)への対策としまして、いくつかの機器を提案させて頂いております。
今回は『VAF粘度計』をご紹介させて頂きます。
粘度計については燃料の動粘度を計測し、最終的には主機で燃焼させる為の最適な動粘度となるように、ヒーター等を制御していく粘度調整装置としても搭載されています。
現在 石油元売各社が製造・販売するLSC重油については燃料油の性状の変化により、今まで使用されてきたHSC重油に比べて動粘度(50℃に於いて)が低くなる、また動粘度の流動点が高くなる、などといった特性の変化が起こることが報告されています。
このLSC重油を本船で取扱うにあたって、セットリングタンクやサービスタンクの温度や主機前のヒーターの温度を細かく設定し粘度を調整し、最終的には主機前でエンジンメーカーの許容範囲(2cSt以上)であることを確認する必要があります。
しかしながら、多様な特性を持つLSC重油については、今まで本船で扱ってきたデータや経験値だけでは、温度管理上での粘度管理が困難であり、正確な粘度計が必要となってきます。
このVAF粘度計のセンサーの作動原理は、ねじり振動子の原理を使用しており、媒体の共振周波数により粘度を計測しています。
計測範囲は0-25/50cSt(要求により他のレンジも可能)となっており、LSC重油やMGOのような低粘度の媒体にも対応できます。
また本船への粘度計追加設置における工事についてもセンサー部がコンパクトであり(センサーハウジング標準50Aで面間150mm)スペースの少ない内航船でも設置可能です。
さらに他社の粘度調整装置が搭載されてある場合でも、それぞれの計測値を比較することもできます。
コントローラー配線をチェック | 配線確認 |
モニタリング目的としても本船での燃料油の粘度・温度の「見える化」を可能にする、『VAF粘度計』をご提案させて頂きたいと思っておりますので、どうぞお気軽にお声かけくださいませ。
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