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【減圧脱水装置Umie】~ホウ素含有処理に蒸留法を活かす~

減圧脱水装置 Umie

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神戸陸上営業チームの阪口です。
今回はプリント基板回路製造で発生する洗浄工程排水中のホウ素処理でご相談頂いた案件についてご案内したいと思います。

特定有害物質の1つ「ホウ素」は身近なところでも存在します。
ホウ素は元素記号“B”で表される物質です。
最近では見かけなくなりましたが、ゴキブリ退治に使用される「ホウ酸団子」は、ご存じの方もおられるのではないでしょうか。材料は玉ねぎ・小麦粉・砂糖・ジャガイモ・米ぬか等にホウ酸を混ぜ合わせて作り、ゴキブリが出そうな所に置いておけばオッケーです。
このように、ひと昔前は家庭用でも使われていたホウ素ですが工業界でのホウ素の需要としては、以下の製造種で幅広く使用されます。
例えば、琺瑯(ほうろう)ゆう薬原料・鋳造製造・金属切削、研削剤・研磨剤(ホウ砂)・ボンデ鋼板製造・硝子研磨工程・ナイロン製造工程・電子部品製造など、さまざまな工程で使用されております。
多種多様な業種に幅広く使われているホウ素ですが、水質汚濁防止法の指定物質として定められており、ホウ素及びその化合物として10mg/L以下(海洋域除く)が基準となっております。

この度のご相談は、ホウ素を含んだ排水のホウ素濃度を低減できるか?という内容だったため、ホウ素濃度低減処理を目的に減圧脱水装置 Umieにて実機テストを行い、処理後に復水される回収水の濃度を分析して確認しました。
テストに使用したUmieとは、減圧した蒸留槽内でホウ素含有排水をスチームで間接加熱し、気化した水分を熱交換器(コンデンサ)で凝縮させて回収水と濃縮水に分離する装置です。

実液によるUmie実機テストサンプル donyu_200730d
donyu_200730a donyu_200730b donyu_200730c
原水サンプル 回収水サンプル 濃縮液サンプル 【Umieテスト機】

テスト排水のホウ素及びその化合物量の分析結果は以下の通りとなりました。

原水及び回収水と濃縮水のホウ素含有量
項目 原水 回収水 濃縮液
ホウ素及びその化合物(mg/L) 658 1.0 5270

この中でご注目いただきたいのが、回収水中のホウ素濃度です。
上述した通り、ホウ素及びその化合物の水質汚濁防止法基準値は10mg/L以下となっておりますが、結果は1.0mg/Lとなり基準値を大きく下回ることに成功しました。
この結果を見てお客様は回収水の再利用も可能と判断され、現在ご検討されています。

その他 ホウ素含有蒸留処理試験例
ホウ素含有排水例 鋳造工程排水例
項目 原水 回収(凝縮)水 項目 原水 回収(凝縮)水
pH 7.6 6.3 pH 8.7 8.8
ホウ素化合物(mg/L) 150 1.1 ホウ素化合物(mg/L) 4500 1.9
めっき排水例 ニッケル系めっき排水例
項目 原水 回収(凝縮)水 項目 原水 回収(凝縮)水
pH 3.9 3.6 pH 7.1 10.4
ホウ素化合物(mg/L) 110 2.7 ホウ素化合物(mg/L) 3150 4.5
塩浴工程洗浄排水例 ホウ砂洗浄排水例
項目 原水 回収(凝縮)水 項目 原水 回収(凝縮)水
pH 11.0 5.3 pH 8.0 6.9
ホウ素化合物(mg/L) 8.5 ≦0.1 ホウ素化合物(mg/L) 25 ≦0.2
硝子研磨工程排水例 熱処理洗浄排水例
項目 原水 回収(凝縮)水 項目 原水 回収(凝縮)水
pH 10.0 10.0 pH 10.0 10.0
ホウ素化合物(mg/L) 10 ≦0.1 ホウ素化合物(mg/L) 3800 ≦0.3

ホウ素排水の一般的な処理方式はイオン吸着方式や凝集沈殿方式ですが、イオン吸着方式では吸着したホウ素を脱着(酸・アルカリ薬剤を使用して再生)する際に再生排水と共に高濃度のホウ素化合物が出る為、その処理が必要となります。また凝集沈殿方式では高分子凝集剤や酸・アルカリ薬剤の添加などが必要で、凝集物脱水機や薬剤混じりの汚泥処分も発生します。凝集処理後の水はpH調整して放流となることが多いですが、再利用をご希望の場合は、多量の金属イオンが含んでいる為、別の処理設備が必要となります。
今回テストに使用した減圧脱水装置Umieは蒸留法と言われる処理方法となる為、余計な薬剤添加は必要ありません。また、処理で得られる回収(凝縮)水の水質が良い為、用水(リサイクル)として採用できる大きなメリットがあります。

このように実液による実機テストを通じて結果内容を協議し、お客様にマッチした減容処理方法をご提案致します。
排水の処理方法にお困りのお客様は、是非コンヒラにお声掛け下さい。
ご連絡をお待ちしております。

以 上

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