【ベトナム旧正月(TET-テト)】~行事~
2020/03/31|社員ブログ
貿易チームのグエン バンドンです。
前回のブログ ではベトナムの旧正月の食事について紹介しました。今回は旧正月の行事について紹介します。日本の正月と似ているところも多いと思います。
1.お正月までの一週間
旧正月(テト)1週間前から各家庭は都合のよい時に大掃除を行います。 家の中のホコリを拭いたり、家を再塗装したり、家の床・庭を水で洗ったり、車・バイクを洗いにガソリンスタンド・洗車屋さんに持って行ったりします。それに、新年を迎えるために、散髪したりする人も多いです。新しい年だからこそ、何でも新しくしたい気持ちなのです。
2.大晦日
大晦日には各家庭でタッニエン(tất niên)というパーティーを行います。タッニエン(tất niên)とは年末・年納めという意味です。結婚して外に出た娘たちも家族と一緒に実家に戻って、一緒に料理を作り、飲んだり食べたりし、年内にあった出来事を振り返り、来年も幸せに暮らせるよう話します。
3.お飾り
日本では正月に門松、注連飾り(しめかざり)・注連縄(しめなわ)、鏡餅を飾りますが、ベトナムで旧正月に家庭で飾るものは、基本的に春を表す桃・梅・菊などのお花です。ベトナム北部地方ではピンク色の桃の花を、南部地方では黄色い梅の花をお家の玄関に飾る人が多いです。最近はマンションも増えてきているので、マンションに住んでいる人はリビングルームに飾ります。
姿勢が良く、花のつぼみが多い木は値段も高いです。買った人は、旧正月が終わったら、樹園のオーナーさんのところに戻し、その木の1年間の栽培費用を払って、翌年の旧正月に取り戻すというサービスもあります。また現在では、飾るための桃・梅の木を旧正月の期間だけ貸すサービスも普及してきています。
4.お供え(マム グ- クア)
ベトナムの家庭には仏壇があります。そこには、「マム グ- クア(mâm ngũ quả)」という5種類の果物を大きなお盆に乗せ、祖先にお供えするという文化があります。各家庭や北部・南部によって違いがあります。旧正月には元旦から4日までライト・線香が消えないようにします。これは、いなくなった祖先が線香の煙で帰ってきてくれると考えられているからです。
5.年越し(ヤオトゥア)
ベトナムでは旧暦の年が明ける瞬間のことを「ヤオトゥア(Giao thừa)」と言います。この瞬間を迎えるのは特別な気分になります。新年お祝いのために花火大会が行われ、若者はそこに集まり花火を観賞しながら、この特別な瞬間を迎えます。家にいる人は、テレビの生中継で花火を観賞したり、生中継のベトナム国家主席の新年お祝い演説を聞き、親族とお酒を飲んだり、おせち料理を食べたりします。また、大晦日の夜(ヤオトゥアの数分前)には新年を明るく幸せに迎えるためにお供え物をして(庭で)祖先に祈る儀式も行う人もいます。もちろん、大晦日の昼間には、子孫と一緒にお正月を迎えるようにお墓参りして、祖先を招待する家族も多いです。
新年の朝早くから多くの人(特に若者)がお寺、神社に行き、お寺や神社などにある木の枝を取って新年の願い事をし、家にその枝を持ち帰り、家に飾ります。これは、「ハイ ロック(hái lộc)」という習慣です。木の枝にある芽は春が来る象徴ですので、枝に芽が多ければ多いほど、幸せ・禄がたくさん来ると考えるようです。
6.お年玉
ベトナムでも新年にお年玉をあげる習慣もあります。通常は大人が子供に年を重ねたことを祝い、お年玉をあげますが、親・おじいちゃん・おばあちゃんの年を重ねたことを祝い、元気に長生きするようにお年玉を渡す子供や孫も多いです。この習慣は日本にはあまり無いと思います。
7.初詣
ベトナムでも初詣を行います。旧正月の2日、3日に50歳以上のおばあちゃん達が寺院に参拝に行き、国の平和や発展、親族の幸運や健康をお祈りします。私の地元(ハノイ)では、おばあちゃん達が地元にあるすべてのお寺に歩いて回ってくる光景を見ました。普段、旧暦の毎月の一日及び15日におばあちゃんもお寺参りをします。お寺参りは、よくない出来事を水に流し、気楽・安心・安静に暮らせるためのおばあちゃんたちの1つの楽しみだと思います。
8.娯楽
親戚が集まる度にお酒に招待されます。新年でおめでたい席でもありお断りしづらいので、酔っ払いになる人も多いです。食事後の片付けも大変です。食器洗いはほとんど女性の方がやるので、不満もあるのではないかと思っています。正月は休養を得るチャンスだと思いますが、逆に疲れる場合もあります。行事以外の暇なときは、親戚が集まりトランプなどを使ってギャンブルするのも旧正月の娯楽の一つです。
国・文化・言葉は違えど、新年に願うことは日本もベトナムも似ていると思います。みんなが楽しくお正月を迎えることができ、また健全な1年になることをお祈りいたします。普段の生活にはいろいろ苦しいことや辛いこともありますが、当社の理念と同じように、一歩でもより良くなることを諦めず努力していきます。よろしくお願いいたします。